マイスターとの出会いが生んだ逸品、むか新「 こがしバターケーキ 」誕生秘話

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取材協力:株式会社向新 – 向井様

取材対象:ジャパン・フード・セレクション受賞「 こがしバターケーキ

目次

株式会社向新

むか新の屋号は、創業者である向井新興門の名字・名前の頭文字をとって付けたものです。代々の名前に「新」という漢字を使って名前を付けており、現在の会長は、新(あらた)一字の名前になっています。 本来は漢字で『向新』という屋号でしたが、なかなか読みづらいこともあり、昭和54年に現在の『むか新』に変更いたしました。『むか新』のロゴは、第207世、第208世東大寺別当、華厳宗管長 清水公照氏の書です。銘菓創庵 むか新をブランド名にして、昭和55年より泉州のお客さまに喜んでいただける店づくり・商品づくりに努め、店舗数を増やし現在に至っています。

こがしバターケーキ

開発のきっかけ

編集長

「 こがしバターケーキ 」の開発経緯についてお聞かせください。

向井様

この商品の原点は、1986年に販売していた「 スイートパルレ 」に遡ります。2002年、和泉市に旗艦店舗「和泉の国本館」をオープンする際により美味しい商品を目指して「 スイートパルレ 」を改良を重ねてリリース。特に、バターの風味をより豊かにすることが大きな課題でした。

転機となったのは、あるマイスターとの出会いです。通常のバターを「 こがしバター 」にすることで、より深い風味が生まれ、日持ちも改善できる製法を直接ご指導いただきました。その結果、「 こがしバターケーキ 」が誕生し、その後も改良を重ねて現在の味に進化してきました。

商品開発で苦労したエピソード

編集長

「 こがしバターケーキ 」の開発過程で、苦労されたことはありましたか?

向井様

やはりバターの風味と如何に一般的なマドレーヌとの違いを出せるかですかね。2020年に大幅なリニューアルを行いましたが、これは長年温めていたアイデアを形にしたものでした。

ただし、当時すでに人気商品だったため、改良には慎重にならざるを得ませんでした。失敗すれば経営への影響も大きいので、時間をかけて丁寧に進めていきました。パッケージも一新し、いよいよ新商品として発売という矢先に、コロナ禍に見舞われました。

しかし、このピンチは意外な形で転機となりました。たしかに大きな影響は受けましたが、むしろ新たな販路の開拓につながり、結果的にチャンスになりましたね。

お客様との印象的なエピソード

編集長

お客様から印象に残る反応はありますか?

向井様

お客様からお手紙をいただいたり、最近ではSNSの投稿を見ると様々なエリアのお客様にご評価いただけていることを実感します。SNSでメッセージをいただくことが増えています。特に、こだわっているバターの風味に関してお褒めの言葉をいただけた時は大変嬉しく感じます。

パッケージデザイン

編集長

現在のパッケージデザインについて、コンセプトをお聞かせください。

向井様

パッケージデザインを考える際、日本のバターの歴史を調べていたときに興味深い発見がありました。それは、バターが日本に定着していった時期と、当社の創業の時期がちょうど同じ時期だったのです。

そこで、「 もし創業当時にこがしバターケーキを販売していたら、どんなパッケージデザインだったかな 」という視点でデザインを考えていきました。結果的に、そのレトロモダンな雰囲気が現代の趣向とうまくマッチしたように思います。

商品改良

編集長

商品改良時には、どのような試作を重ねられたのでしょうか?

向井様

2020年の改良時には、かなりの時間をかけて試作を重ねました。大きさの見直しや砂糖の一部をブラウンシュガーにしてコクを出すことなど、何度も何度も試作を繰り返しました。納得のいく味わいを実現するまで、焼き加減など細部にまでこだわって改良を進めていきました。

品質管理

編集長

品質管理において、特に重視されている点を教えてください。

向井様

最も注意を払っているのは、品質の安定性です。特に焼き加減は商品の仕上がりに大きく影響しますので一部の熟練のスタッフだけが担当しています。しかし、季節によって温度や湿度も変わるのでとても難しいです。誰が作っても同じ品質を保てるよう日々努力しています。

また、製造後の検品にも力を入れています。できあがった商品は必ず検食を行い、味や品質の確認を徹底しています。この工程を怠らず続けることで、お客様に安定した美味しさをお届けできると考えています。

ずっと愛されるお菓子を作る

編集長

「 ずっと愛されるお菓子づくり 」のために、会社としてどのような取り組みを行っていますか?

向井様

当社では何百種類もの商品を展開していますが、全ての商品をロングセラーにすることは難しいと考えています。そのため、「 こがしバターケーキ 」のような主力商品については、長く愛される商品であり続けるために常に進化を続けています。

具体的な取り組みとして、毎年バターをテーマにしたイベントを開催しています。これは、新しいお客様に商品を知っていただく機会であると同時に、新しい提供方法を試みる場にもなっています。2020年のリニューアル以降、こうした取り組みを継続的に行っています。

ジャパン・フード・セレクション受賞

編集長

この度のジャパン・フード・セレクション グランプリ受賞について、ご感想をお聞かせください。

向井様

これまでも様々な賞をいただいてきましたが、日本の機関による評価は今回が初めてでした。日本国内でもこのように高く評価していただけたことを、大変嬉しく思います。このグランプリ受賞を励みに、今後も品質の向上に努めていきたいと考えています。

運営会社:株式会社Rim Entertainment
編集者:Jeong Yeongsu
運営メディア:シネマライブラリ

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