変わらぬ味を守り続けて25年、石垣島の手作りラー油(ペンギン食堂のモットーは命薬 – ぬちぐすい)

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取材協力:株式会社ペンギン食堂

取材対象:ジャパン・フード・セレクション受賞「 辺銀食堂の石垣島ラー油

目次

株式会社ペンギン食堂

西安生まれの暁峰と東京生まれの愛理。料理を愛する二人は、キッチンの争奪戦をするほど、食べることが大好きでした。暁峰の故郷・西安では、ラー油は各家庭で手作りする程身近な調味料で、東京在住時代から二人でオリジナルのラー油作りを楽しんでいました。1999年、石垣島との運命的な出会いがありました。豊かな自然、島の文化、人々の優しさに魅了され、わずか3か月後には移住を決意。島特有の野菜や香辛料との出会いに刺激を受けた愛理は、夫のために石垣島の食材を使ったラー油作りに挑戦します。これが「 辺銀食堂の石垣島ラー油 」の誕生です。2000年春、初めてイベントで販売した時に売れたのはわずか2本。残ったラー油を知人に配ったことで、「 具材入りラー油 」の美味しさが口コミで広がり、次第に全国から注文が届くようになりました。同年冬、念願の「 辺銀食堂 」をオープン。店名の「 辺銀(ぺんぎん)」は、2002年に暁峰が帰化する際、愛理が愛する南極のペンギンから命名した、日本で唯一の姓です。その後、2008年には愛理による『 ペンギン夫婦がつくった石垣島ラー油のはなし 』が出版され、2012年には映画『 ペンギン夫婦の作りかた 』として全国で公開。2013年には台湾でも上映されました。2010年には姉妹店「 石垣ペンギン 」もオープン。オリジナル商品の販売に加え、八重山諸島や国内外の逸品を取り扱い、食とライフスタイルの提案を行っています。夫の笑顔のために始めたラー油作りは、今も変わらぬ想いで、一つ一つ丁寧に手作りを続けています。

辺銀食堂の石垣島ラー油はどのように生まれたのか

編集長

「 辺銀食堂の石垣島ラー油 」の開発の”きっかけ”をお聞かせください。

辺銀夫妻

開発の原点は、約30年前に遡ります。中国人の主人とお付き合いを始めた頃、義母が作ってくださった自家製ラー油との出会いがすべての始まりでした。唐辛子に熱した油を注ぐだけという、とてもシンプルな製法でしたが、その美味しさに感銘を受けました。

その経験をきっかけに、日本に帰国後は様々な食材を使ってラー油作りを楽しむようになりました。そして石垣島への移住を機に「 この地域ならではのラー油を作ろう 」と考え、試行錯誤を重ねて「 辺銀食堂の石垣島ラー油 」が誕生しました。

苦労したこと

編集長

商品開発において、苦労したことはありましたか?

辺銀夫妻

実は、ラー油作り自体は楽しみながら行っていたので、製法の面では特に苦労はありませんでした。ただ、25年前の石垣島は現在とは環境が大きく異なっていました。

例えば、商品化に必要なガラス瓶一つを購入するのにも苦労するなど、物流面での課題はありました。今ではインターネットでの取り寄せができるようになり、それらの課題は徐々に解決していきました。

むしろ、石垣島に移住した当初の生活の立ち上げが最も大変でした。朝から深夜まで時給500円で働き、夫婦二人で必死に生活を維持していた時期が、今となっては一番印象に残っています。

こだわりポイント

編集長

25年続く「 石垣島ラー油 」の製法やこだわりについて教えてください。

辺銀夫妻

商品化してから四半世紀が経ちますが、レシピは最初に主人に作ったものから一切変えていません。製造量は増えましたが、基本の作り方は当時のままです。

多くのお客様に「 美味しい 」と言っていただけることが何より嬉しく、その声を大切にしたいという思いから、レシピを変更せずに同じ味を守り続けています。

食は命薬(ぬちぐすい)

編集長

「 食は命薬(ぬちぐすい)」というモットーに込められた意味を教えてください。

辺銀夫妻

「 命薬(ぬちぐすい)」は、沖縄の高齢者の方々の日常会話でよく耳にする言葉です。美味しいものや珍しいものを食べたとき、お腹いっぱいになったときに、「や〜ぬちぐすやさ〜」(命の薬になったね)と表現するのです。

この素朴で温かな言葉に深く感動し、私たちの店のモットーとして掲げることにしました。食べることが命の薬になるという考え方は、私たちの食への想いそのものなのです。

石ラー

編集長

親しみを込めて「 石ラー 」と呼ばれているそうですが、この愛称はどのように生まれたのでしょうか?

辺銀夫妻

この愛称は、インターネット上で自然発生的に広まったようです。おそらくネットユーザーの方々が使い始めたのがきっかけだと思います。現在では常連のお客様との会話でも「 石ラー 」という愛称が日常的に使われているそうです。

ジャパン・フード・セレクション受賞

編集長

この度のジャパン・フード・セレクション受賞について、ご感想をお聞かせください。

辺銀夫妻

この商品は、長年我が子のように大切に育ててきました。今回の受賞は、まるで自分の子どもが大きな舞台で優勝したような喜びを感じています。

最後に

編集長

今後の「 石垣島ラー油 」の展開についてお聞かせください。

辺銀夫妻

現在は、「 石垣島ラー油 」「 石垣島ラー油(激辛)」「 にんにく油 」という”ラー油の3兄弟”の製造・販売に専念しています。以前は商品をお届けできない期間が続いていましたが、ようやく少し落ち着きを取り戻してきました。

海外展開のお話もいただいていますが、現状では国内の需要に応えることで精一杯です。原材料の安定供給にも課題があり、まずは国内の常連のお客様への安定供給を最優先に考えています。

私たちの願いは、海外のお客様には実際に石垣島に足を運んでいただき、オリオンビールと共に本来の味わいを楽しんでいただくことです。大きな展開より、一つ一つ丁寧に作り続けることを大切にしていきたいと考えています。

2012年に映画化

編集長

取材前にリサーチした際、映画化されていたことには驚きました。当社も映画会社なので、ドキュメンタリー映画にはピッタリなエピソードが多かったです。

自宅近くのスーパーで「 石垣島ラー油 」が販売されていたので、取材後に購入しました。今では超リピーターになりました(笑)

どの食材にも合う「 石垣島ラー油 」は、編集長からも超オススメです!

運営会社:株式会社Rim Entertainment
編集者:Jeong Yeongsu
運営メディア:シネマライブラリ

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