もっちり食感の秘密に迫る! ミルクレープMOCHI開発者インタビュー

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取材協力:株式会社フレシュール

取材対象:ジャパン・フード・セレクション受賞「 10層のもちもちミルクレープ MOCHi

目次

株式会社フレシュール

お客様の新鮮な感動を呼び起こし、心を豊かに満たすスイーツをいつも最高のクォリティでお届けしたい。そのために、私たちが大切にしているのは、イマジネーションとテクノロジーが共鳴する胸おどるオリジナル・ストーリー。フレシュールは、人から人へ、幸せの時間を贈りつづけます。

10層のもちもちミルクレープ MOCHi

商品開発の”きっかけ”

編集長

まず初めに、商品開発のきっかけを教えてください。

フレシュール様

元々、当社はOEM事業をメインとしており、大手外食チェーンやホテルビュッフェ向けに冷凍デザートを提供してきました。その中でも、当社のミルクレープは非常に高い評価をいただいておりました。

しかし、2020年頃のコロナ禍で状況が一変しました。外食産業やホテル業界の需要が激減し、主力商品の販路が大きく縮小してしまったのです。この危機的状況が、実は新たな挑戦のきっかけとなりました。

外出規制の影響で、外食関連の需要も同様に落ち込みました。これまで好評だった商品や類似商品を紹介しても、全く成果が出ない状況に陥ってしまい、新たな販路を探す必要性を感じました。

それまで、一般消費者向けの販売は全体の1%にも満たない状況でしたが、この機会に直接消費者の皆様に当社の商品を届けたいと考えました。

そこで誕生したのがMOCHIです。家庭用冷凍庫に収まるサイズ、解凍しやすさ、当社が誇るもっちりとした食感を維持することにこだわりました。コロナ禍という逆境が、新たな商品開発の原動力となり、当社の事業のきっかけになりました。

商品の特徴

編集長

大変な時期を乗り越えてこられたのですね。そんな中で生まれた商品の特徴について詳しく教えてください。

フレシュール様

サイズにこだわりました。長さ18cm、幅5cm、高さが4cm弱ほどのサイズに設定しており、4人家族なら4等分、5人家族なら5等分できるようにしました。カットして解凍するだけで食べられるので、急な来客時にもすぐに出せる利便性を追求しました。

味の特徴として、北海道産原料にこだわっています。当社は岐阜県関市にありますが、全国展開を目指していたので、地元の原料ではなく北海道産の牛乳とコンデンスミルクを使用することにしました。味わいがしつこくないことも特徴の一つです。これらの特徴を活かしながら、試行錯誤を重ねて発売に至りました。

開発で最も苦労したこと

編集長

商品開発の過程で最も苦労したことはありましたか?

フレシュール様

モチモチの食感を追求する上で、最も苦労したのはクレープの厚みです。いつでもミルクレープらしい食感や、もっちり感を再現するのに苦労しました。

ある程度の厚みを持たせつつ、ミルクレープ特有のマダラ模様を出すのが難しかったですね。糖分の問題や生地の厚さの問題もありました。機械で焼いていくので、機械との相性も考慮する必要がありました。

具体的には、焼き時間や焼く温度の調整が重要でした。糖分が多いと焦げてしまうし、機械の製造ラインでの焼き上げるスピードも関係します。焼く温度とスピード、様々な要素を調整するのに大変苦労しました。

開発期間

編集長

開発には多くの試行錯誤があったようですね。開発期間はどのくらいでしたか?

フレシュール様

オリジナル商品の開発に関しては、味の改良なども含めると約1年かかりました。パッケージのデザインにも数ヶ月を要しています。

元々、委託先との取り組みで作っていた商品をベースに、それを自社のオリジナル商品として進化させていったという経緯があります。

パッケージデザイン

編集長

パッケージデザインについて詳しく教えてください。

フレシュール様

パッケージデザインは非常にこだわりましたね。最初は自分たちでアイデアを出して作ってみたのですが、やはりプロの力が必要だと感じ、デザイナーの方と協議しながら作り上げていきました。

私たちの考えを上手くまとめて表現していただきました。パッケージ開発にも半年ほどかかっています。デザインの要点としては、まず外見から中身のミルクレープがイメージできるようにすることを重視しました。

パッケージサイズと中身はほぼ同一にし、店頭での陳列方法も考慮しています。縦長のショーケースでも平台でも映えるデザインを目指しました。中身がミルクレープであることを一目で分かるようにするため、10層という文字を大きく配置しています。

使用している北海道産の原料も分かりやすく表示しており、クリームとクレープが交互に重なった断面のイラストも、商品イメージを伝えるのに効果的でした。

特に評価が高かったのは、パッケージにカットサイズが分かるように目盛りを入れたことです。これを目安に切っていただければ、均等に切りやすいという実用的な機能も兼ねています。

ジャパンフードセレクション受賞

編集長

ジャパンフードセレクション受賞の感想をお聞かせください

フレシュール様

この受賞は従業員やスタッフ全員が非常に喜んでおります。当社設立20周年の節目でもあったので、より特別な意味がありましたね。創業から36年経っていますが、20周年という区切りの年に賞をいただけたことで、我々の品質、開発力、生産力が認められたと感じています。

従業員のモチベーション向上にもつながりました。ビジネス面でも大きな影響がありました。BtoBの取引先様からは「 こういった賞を受賞していると、商品が目に留まりやすくなる 」「 売り場としても助かる 」といった声をいただいています。

冷凍ミルクレープとしては初めての受賞だったこともあり、業界内でも注目を集めました。受賞後は、広告会社さんから8社ほどお声がけいただき、新たな取り扱いの問い合わせも1社からありました。地元紙の新聞社からも取材を受けるなど、メディアからの注目も集めています。

最後に

編集長

受賞が大きな転機になったようですね。最後に、今後の展開や目標について教えてください。

フレシュール様

正直なところ、現在の出荷数は我々が目指している数量にはまだ達していません。まずは今回の受賞を契機に、当社の商品価値を改めて多くの方に知っていただきたいと考えています。そのために、各取引先様への案内を強化し、自社ECサイトでの販売にも力を入れています。

グループ会社と連携し、そちらのECサイトも活用して直接販売を強化していく予定です。ただし、自社だけでECサイトの運営や販促を行うのは時間的な制約もあるため、外部の力も借りながら進めていこうと考えています。

特に注力しているのは、他業者様が運営するECサイトやBtoB向けの卸サイトを通じての販売です。自社でECサイトをイチから構築するのではなく、既存のプラットフォームを活用することで、効率的に販路を拡大していきたいと考えています。

最終的には、当社の理念である「 美味しさ感動提供業 」を実現し、より多くのお客様に喜んでいただける商品を届けていくことが目標です。コロナ禍を経験し、直接消費者の方々に商品をお届けする重要性を再認識しました。

これからも品質にこだわり、お客様に感動を提供し続けていきたいと思います。

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