七條様、小野田様、編集長のジョンです。本日は宜しくお願いします。
はい、宜しくお願いします!
竹本油脂株式会社
創業300年の歴史をもつ、日本でも有数の企業です。主にごま油の製造で知られており、昔ながらの圧搾製法を用いて国内自社製造されています。また、食用油だけでなく、スペシャリティ・ケミカルの研究開発型企業として、世界中でTAKEMOTOブランドの製品が活躍しています。
「 ごま油屋のラー油 」の開発に至った”きっかけ”は何だったのでしょうか?
「 ごま油屋のラー油 」の誕生にはエピソードがあります。この商品は、以前から90gサイズで市場に存在していました。味には定評があり、熱心なファンの方からお電話をいただくこともあったんです。
一方、「 キャップを開け閉めするときに油が飛び散って困る 」というご意見を度々いただいていました。この課題を解決し、ファンの皆様の期待に応えるべく、「 ごま油屋のラー油 」として新たに販売することを決意しました。
「 ごま油屋のラー油 」の商品開発過程で最も苦労した点はありましたか?
「 ごま油屋のラー油 」の開発過程で最も困難だったのは、間違いなく容器の選定でした。この一見単純な問題が、実は2年もの歳月を要する大きな課題となったんです。
しかし、なかなか満足のいく容器に出会えず、一時は開発の中止も考えました。そんな時、私たちは原点に立ち返り、消費者が本当に求めているものは何かを改めて考えたんです。 そして、大胆な決断をしました。
150gという、従来の90gよりも大容量のボトルを採用することにしました。実は、別の商品ラインで150gのごま油商品を販売しており、その使い勝手の良さが高く評価されていたんです。
確かに、容量が増えれば価格も上がりますし、使い切れるかどうかという懸念もありました。しかし、消費者の皆様の使いやすさを最優先に考えた結果、この決断に至りました。
結果的に、2年近くの歳月がかかりましたが、この長い検討期間があったからこそ、自信を持って世に送り出せる商品が完成したのだと思います。消費者の皆様に本当に喜んでいただける商品を作るには、時には大胆な決断と忍耐強い努力が必要なのだと、身をもって経験しました。
原材料をごま油と唐辛子のみに限定した理由を教えてください。
当社のマルホンブランドはごま油の奥深い味わいが特徴です。その強みを最大限生かすため、ごま油で唐辛子をじっくり煮だすシンプルな製造工程にこだわりました。
スパイス系のラー油はたくさんありますが、ごま油の風味と唐辛子のすっきりとした辛さを活かしているのが最大の特徴です。
「 ごま油屋のラー油 」の開発に際して特に印象に残ったエピソードはありましたか?
「 ごま油屋のラー油 」の特徴は、何と言ってもそのボリューム感です。家庭用としては異例の大きさで、市場にはないサイズ感でした。正直、本当に受け入れられるか不安でしたね。営業チームがバイヤーと商談する際も、「 大きすぎるのでは?」という声をよく聞きました。
ところが、実際に店頭に並べてみると不安は払拭されました。ファンが増え、指名買いも増加し、売上も順調に伸びていきました。
印象的なエピソードとして、90gの商品に対して「 この油が飛び散って服に付く、味は好きなのにもう使いたくない」と、お客様から言われたことが強く心に残りました。これをきっかけに、どれだけ良い商品でも利便性でお客様を失望させてはいけないと痛感しました。
私の父はヘビーラー油ユーザーなんです。完成した商品を父に送ったところ、後日連絡があり、150gのラー油を2ヶ月で1本消費したとのことでした。これはかなりの使用量です。父の反応が私に安心感を与えてくれました。
結果的に販売量が伸びて、世の中に広まっていきました。当初は正直不安でしたね。売れなかったら撤退しようとも考えていました。
我々としては、従来の商品のまま販売を続ける方がリスクと判断しました。
江戸時代から続く伝統的な圧搾製法は、今回の商品作りにも活かされているのですね?また、300周年を迎えるにあたり、どのような取り組みをしていくのでしょうか?
圧搾製法は「 ごま油屋のラー油 」にも活かされています。味に自信があるのも、ごま油に自信があるからなんです。圧搾製法で作られたごま油は、味がまろやかになり、深みのあるコク、雑味のない味わいが出ます。当社のごま油だからこその特徴です。
2025年に当社は300周年を迎えます。これからも圧搾製法でごま油をつくり続け、伝統的な部分は変えずにこだわっていきたいです。
300周年を迎えるにあたり、色々な切り口で新たな市場を開拓していきたいと考えています。テレビCMの出稿など、マルホンブランドを盛り上げるために、年間を通じてプロモーションに力を入れていく予定です。
最後に、サスティナビリティの取り組みがあれば教えてください。
一部の商品のラベルは再生素材に切り替えるなど、私たちも少しずつですが環境への配慮を進めています。時代に合わせて、できることから始めていく姿勢です。
本日は素敵なお話をありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!